こちらがニッカー絵具さん。
練馬にあります。
横浜ジョイナス店 新着情報
2016.03.10
画材工場見学レポート
【ニッカー絵具編】
2月のジョイナス休館日を利用して、スタッフほぼ全員(インフルエンザで1名欠席)でニッカー絵具の工場見学に行ってきました!
前半は、ニッカーの技術顧問でもある取締役会長の赤尾進一郎さんに講義をお願いし、会社の沿革や絵具の種類・見分け方を1時間程度説明して頂きました。
ニッカーという社名は、前身となる『日本化鉄工業株式会社』の頭文字から取ったものとのこと。
日本産の絵具が少ない時代、油絵具の顔料でポスターカラーを製造し、専門家層に受け入れられ発展しました。
現在、スタジオジブリなど、アニメーションの現場で背景にニッカーのポスターカラーが使われていますが、これは『テロップカラー』という商品の販売によって、元々テレビ放送局との繋がりが密だったことによるそうです。
絵具の講義は、有機顔料(化学的に合成したもの)と無機顔料(金属や天然石)の違いや、水彩絵具や油絵具といった絵具の質の違いが、顔料の定着材の違いによることなど、基本的な知識に始まり…
水彩に使われているアラビアゴムがスーダンで採れること(そして、スーダンの情勢で値段が変動するのに対し絵具の価格はすぐに変えられない為、1年分在庫していること)、アイボリーブラックの狂牛病問題などなど、メーカーさんならではの情報まで、イロイロと教えていただきました。
ガラス瓶に入ったキレイな顔料が並んでいます。アガる!!
こちらは顔料のストックしている倉庫。
…圧倒されます。
後半は、いよいよ工場内を見学。
絵具製造の工程は
→決められたレシピを元に顔料を配合し…
→攪拌機『ハイパー』(!)で粗く混ぜ合わせ…
→『ロール練り器』で更に細かくすりつぶし均一に練ります。
→塗り見本と比較しながら試し塗りを繰り返して色を確定し…
→めでたく絵具完成!!
完成した絵具は、毛細管現象で品質を安定させるために一定の時間を置いた後、ラミネートチューブ(7層構造)に充填され、ラベル貼りされて、ようやく私たちがよく知っているあの絵具の姿になります。
写真は『ロール練り機』。
手前から遅・中・速と回転スピードの異なるローラーが3本装着され、絵具を練り上げます。
絵具の粘度はアクリル系はサラサラ、ポスターカラーはねっとり…という具合に、種類によって細かく調整されます
試し塗りは絵具の色を保つ大切な工程。ベテランの技が光ります!
過去の塗り見本がアーカイブされています。
絵具充填機。
1台の充填機に2~3名のスタッフが付いていました。
絵具の製造過程はとてもアナログ。
新色を研究・開発する『新作開発室』は独特な(?)雰囲気。
これが『新作開発室』です。
博士の実験室…というよりは古い薬屋さんみたい?
ライブ感がスゴイ…
皆さんには、とても良くして頂きました。
工場はこぢんまりとしたいいサイズ感で、何より、皆さんが笑顔で楽しそうだったのがとても印象的でした。
※お茶とお茶菓子も頂き、休憩中には『ぶらり途中下車の旅』のDVDも一緒に鑑賞(ほっこり~)
予想以上に充実した見学となり、スタッフ一同、大変勉強になりました。
ニッカー絵具さん、ご協力ありがとうございました!